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塗装色の表記の違い1 日塗工とマンセル値

紛体塗装について良く聞かれることのひとつに「色をどのように指示すれば良いのでしょうか?」このような質問を頂く事が多くあります。設計士の方やデザイナーの方の多くが自分の希望の色をどのように指示すればよいのか分からないというケースですね。
※デザイナーさんはイラストレーターを使うことも多いので印刷で使用する「CMYK」で指示されるケースもよくあります。

色名と言えば、「白」とか「黒」などの一般的な色名がありますが、工業製品の塗料の場合ですと一般的によく使われるのが「日塗工」「マンセル値」です。

「日塗工」とは一般社団法人日本塗料工業会の定める色番号の事で、日本工業規格いわゆるJIS規格に準基した色も含まれているため古くから日本の塗装業界でのスタンダードとして使われています。

日塗工の色見本。汚くてスミマセン。。。

一般的な真っ白は「N-95」、少しグレーの入った白は「N-90」、うすいグレーは「N-85」といった具合に細かく色を細分化し番号を付けています。白といっても色々な白がありますがCMYKでいう所の全て0値が「N-95」ですね。逆に真っ黒【K=100】が日塗工では「N-10」となります。

もうひとつ工業製品の塗装でよく使われる「マンセル値」とは、色を3つの属性(色相・明度・彩度)に分けて数値表現したシステムの事を言います。(マンセルカラーシステムが正式名称) 「R(赤)・Y(黄)・G(緑)・B(青)・P(紫)」を基本5色相として、時計回りに等間隔に配置されていて、これは発案した方が「アルバート・マンセル」さんなのでマンセル値なんです。
日塗工と似ている表記もあるんです。
例えば上記の【真っ白】{CMYK=0)は日塗工では「N-95」で、マンセル値では「N-9.5」、【真っ黒】(K=100)は日塗工では「N-10」で、マンセル値では「N-1.0」という具合に似ている色もあるのですが基本的には表記が全く違います。たとえば【真っ赤】(M=100、Y100)は日塗工では「05−40」、マンセル値では「5R4/12」となります。他にも【黄色】は日塗工では「22-80」ですが、マンセル値では「2.5Y8/14」という具合に色によって表記の仕方が全く違います。

日塗工の番号の横にはマンセル値が記載されています。

少しややこしいのですがそれぞれ色の仕分け方が違うのでしょうがないのですが、現在日本の工業塗装ではこのふたつのどちらかで指示をされるのが一般的です。

色の仕分けでいうと、先述の印刷業界で使われるインクでの色仕分け「CMYK」や、大日本印刷の特色「DIC」や画像で使われる光の三原則「RGB」、ウェブサイトでの色番号「HTMLカラーコード」など様々な色の呼び方・番号があります。それとドイツ工業規格の「RAL色」もありましたね。
これを紛体塗装の場合どのように指示すればよいのか。
それは次回にて。

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