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粉体塗装のメリット 耐候性について

粉体塗装は錆止め不要

粉体塗装を生業にしていて全国各地サンプルを持参しながら粉体塗装の営業活動をしています。そんな中よく聞かれるのが「そもそも粉体塗装って何?」っていう超根本的な質問がかなり多いのが現実です。粉体塗装の認知度って限りなくゼロに近いといってもいい位デザイナーさんでも知っている人が少ないということを目の当たりにしてきたので自身のフェイスブックなどでも粉体塗装についての説明を毎日のように行っています。なのでCYUONのコラムと連動させ粉体塗装についての説明を書いていくことにしました。
まずはなぜ粉体塗装が良いのか?という問に対して粉体塗装のメリットから説明させていただきます。

粉体塗装のメリットといえば耐候性の良さがあげられます。粉体塗装はポリエステル樹脂に顔料を混ぜて着色したものを粉状に加工し粉体塗料となります。その塗料を専用の塗装機で金属へ付着させオーブンに入れ高温で焼き付けて塗膜を形成するプロセスなんですが、そのオーブンに入れてからの焼付時に粉と粉が溶けて密着をし金属の表面をコーティングしていきます。通常の溶剤での焼付け塗装(一般的に言うメラ焼き)は塗料をシンナーで希釈した塗料を金属に吹き付けた後、オーブンに入れ焼き付けをし塗膜を形成するのですが、この焼付の際にシンナーが揮発をします。揮発をしているということは塗料の中から外へシンナーが出ているということで、この時にピンホールと呼ばれる目に見えない小さな穴が出来てしまいます。このピンホールから塗膜の下の金属に酸素や水分が侵入していくということになります。なのでメラ焼きでは塗装前にプライマー(錆止め)を塗装しなくてはなりません。プライマーを塗装しないとすぐに錆びてしまうからです。しかし粉体塗装は先述の通り塗料通しが溶けて密着するという事とシンナーで希釈などしないので揮発することも無いのですからピンホールも出来ません。なので塗装物の上にキレイに塗料がコーティングされ金属へ酸素も水分も侵入しないという原理となっています。なので粉体塗装はプライマーなど下塗りが不要なんです。

写真は実際に粉体塗装をしている工程の写真です。少し分かりにくいですが金属へ下塗り無しでそのまま粉体塗装をしていきます。プライマーを下塗りするという工程が無いので作業性も良く、尚且耐候性も良いというハイグレードな塗装なんです。塗装物に酸素や水分が侵入してこないということは鉄の場合だと屋外で使用しても錆が発生しにくいという事になります。(錆が絶対に発生しませんとは言えませんのでご了承を。使用状況や施工状況により錆が発生してしまうこともありますので)屋外で使用する鉄製の筐体でもプライマー無しで粉体塗装をするのが一般的で弊社でも屋外仕様のボックスもプライマーは塗装していません。

このような屋外仕様のボックスもそのまま粉体塗装をします。外部から酸素や水分が侵入しないので耐候性が強いという理由に加え膜厚が厚いということも理由にあげることが出来ますがこの「膜厚」についてはまた次回説明させていただきます。

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