対談

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CYUONプロジェクト・メンバー鼎談

ネットからはじまったクリエイターとの出会い 

平澤 ちょうどその頃、シリウスさんは手堅い仕事でもあった分電盤の業務を多く引き受けていたんですよね。でも、杉原さんは、それをやり続けることに疑問を持ってしまった、と。

杉原 「俺はこんなものを塗るために生きてきたのか!」みたいな気持ちになって(笑)。そんなときに、平澤さんとお会いすることになったんですよね。

平澤 そもそも、僕と杉原さんが知り合いになったのって、10数年前でしたよね。当時はブログを通じて…だったので、ネット上のお知り合いという関係でしたが。

杉原 以前、印刷関係の仕事をしたいたとき、DPTをしながらグラフィックデザインの勉強もしていたんです。そのとき、デザインに関するブログを検索したら、平澤さんのページがヒットして。そのときからですよね。

平澤 面識はなかったんですけど、そのうちFacebookでもつながるようになって。そのとき、シリウスさんが会社のボロボロのスチール家具を黄色にペインティングしている様子を目にしたんです。それがすごく面白かったんです。

杉原 あの頃から、すでに「何かモノを作りたい」ということをFacebook上で言っていた気がします。

平澤 そう、杉原さんが「モノ作りしたいんだよね」とコメントしているのを見て、「じゃあ、それ、僕がやりますよ」って、冗談みたいに答えたんですよ。そこが、本格的な出会いのスタート(笑)。その直後に、一度東京へ来てもらって僕の事務所で話をしたんです。すると、やはり杉原さんは「モノを作って、それを売りたい」という気持ちが強かったから、「じゃあ、その方向で模索しましょう」ということになったんです。でも、厳密には、僕はプロダクトのデザイナーではないわけです。そこで、当時一緒にプロジェクトをやっていた(田中)行さんに声をかけたら、「やるー!」ということになって。

田中 出会いのスタートは、本当にそんな感じでしたよね(笑)。 

 

「グレー」の印象が強い粉体塗装の色彩表現 

杉原 そもそもお二人は、このプロジェクトがはじまる前、粉体塗装というものがどういうものなのかご存知でしたか?

平澤 もちろん、過去に仕事で扱ったことはあったんですが、むしろ知らないことのほうが多かったです。

田中 私に関しては、名前はもちろん聞いたことがあったんですけど、実際に自分たちの物件で使ったことはなかったです。なので、IKEAや無印良品などの量販店の家具アイテムでよく使われている塗料というイメージでしたね。でも、量販店のアイテムでよく使われているグレー以外にも色が豊富にあるというのはまったく知りませんでした。

杉原 一般的に粉体塗装というのはグレーの印象が強いですよね。

田中 逆を言えば、「こんなに色があるのに、なぜグレーしか使わないんだろう」と疑問に思ったくらいです。

杉原 実際、白やグレー、ベージュといった色が使われることが大半ですからね。僕は「黄色いスチール家具があってもいいじゃん!」と思うんですけど……(笑)。

平澤 あと、液状塗装とは違って、テクスチャー、つまり表情が作れるというのも面白いですよね。例えば、表面をボコボコした印象にできたり、飴を貼り付けたような印象にできたり……。でも、焼き付けで色をつけるので、塗装の技術としては非常に高度。そういうことは、杉原さんとお付き合いするようになって少しずつ学ぶことができました。

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