2017.2.10
粉体塗装とは
一般的な塗装に使用される塗料は顔料が溶け込んでおり、顔料(色)が溶剤に溶け込んだもので、液体塗料、溶剤塗料などと呼ばれます。塗装後にこの溶剤が乾燥・揮発して塗膜が形成されます。
一方、粉状の顔料を直接金属に吹き付けるのが粉体塗装です。「パウダーコーティング」とも呼ばれるように、塗るというより細かい粒子で金属をコートするといったイメージです。
溶剤を使用しないで顔料が金属に定着する秘密は、粉体塗装独特なメカニズムによるもの。
被塗物(金属)はアースされプラスの電気を帯びています。これにマイナスの電気を与えた顔料(粉体)を吹き付けて表面に付着させます。
さらにこの後オーブンで加熱(焼き付け)することで、均一で丈夫な塗膜が形成されます。
▪︎粉体塗装工程
加熱(焼き付け)することにより、粉体が融解し、化学反応によって高分子ポリマーがネットワーク状の組織を形成することで被塗物は空気に触れにくくなり、優れた防錆性を発揮します。
粉体塗装はもともと一般的な溶剤を用いた塗装と比べ、厚く丈夫な塗膜を形成することからサビ止め塗料として普及した歴史があります。ガードレールや車のエクステリア用品など耐候性や防錆性が求められるような製品や、過酷な使用状況の塗装にも広く利用されているのはこのためです。
▪︎主に粉体塗装製品
スチール家具
ガードレール
車エクステリア